長尾の地車


構造

だんじり正面観 だんじり屋根の写真
 長尾の地車は、上地車に属する社殿型の地車です。勾欄(こうらん)の前の張り出しが大きい点は俄(仁輪加)を演じるための石川型に近いですが、千鳥破風の屋根は明らかに特異的です。また、インターネットのホームページによる情報では彫師は小松一門とされていますが、真偽の程は定かではありません。


長尾地車の彫刻と額

【前正面】
前正面獅噛
鬼板(おにいた):獅噛(しがみ)
前正面懸魚
懸魚(げぎょ):朱雀
前正面車板
車板(くるまいた):龍
前正面木鼻吽形
木鼻(きばな)吽形:獅子鼻
前正面木鼻阿形
木鼻(きばな)阿形:獅子鼻


【後正面】
後正面獅噛
鬼板(おにいた):獅噛(しがみ)
後正面懸魚
懸魚(げぎょ):朱雀
後正面車板
車板(くるまいた):龍
後正面摺出鼻 左
摺出鼻(すりだしばな)左:鷲と猿
後正面摺出鼻 右
摺出鼻(すりだしばな)右:鷲と猿
唐獅子牡丹の額
後ろ正面見送り:唐獅子牡丹の額
後正面幟台
幟台(のぼりだい):獅子


【側面】
左側面見送 手前
左側面見送 手前:獅子と牡丹
左側面見送 奥
左側面見送 奥:龍
右側面見送 奥
右側面見送 奥:龍
右側面見送 手前
右側面見送 手前:獅子と牡丹
左側面枡合 前方
左側面枡合(ますあい) 前方:獅子と牡丹
左側面枡合 中央
左側面枡合(ますあい) 中央:獅子と牡丹
左側面枡合 後方
左側面枡合(ますあい) 後方:獅子と牡丹
右側面枡合 後方
右側面枡合(ますあい) 後方:獅子と牡丹
左側面枡合 中央
左側面枡合(ますあい) 中央:獅子と牡丹
右側面枡合 前方
右側面枡合(ますあい) 前方:獅子と牡丹
土呂幕・台木
土呂幕(どろまく):波 台木(だいぎ):波


【全面】
勾欄
勾欄(こうらん):波に千鳥




歴史

修理前曳行(その1) 修理前曳行(その2)
 以前に聞いた長老の話は次のようなものでした。昔から当地区には別の地車がありましたが、村の経費節減のために売却されました。これに反発した若い衆が村を説得し南河内より購入したのが現存するこの地車だということです。

 購入時期は明治40年生まれの長老が若者の頃の話ですから、今から80〜90年前、大正後期から昭和初期であろうと思われます。当時の竹内街道を牛に牽引させ数日がかりで移送したということです。したがって、この地車の制作時期など以前の経緯については不明です。

 今回の修理でも経緯を示す証拠は見つかっていません。昭和40年代には応急修理が行われ、その際勾欄などが紅色に彩色されたということです。


近年の地車曳行状況

2000(平12).10.15(日) 長尾神社境内社厳島神社秋祭 地車曳行
2001(平13).10.14(日) 長尾神社境内社厳島神社秋祭 地車曳行
2002(平14).10.13(日) 長尾神社境内社厳島神社秋祭 地車曳行
2003(平15).10.5(日) 長尾神社境内社厳島神社秋祭 地車曳行
2004(平16).10.17(日) 長尾神社境内社厳島神社秋祭 地車曳行
2005(平17).10.16(日) 長尾神社境内社厳島神社秋祭 地車曳行
2006(平18).10.15(日) 長尾神社境内社厳島神社秋祭 地車曳行
2007(平19).7.1(日)  地車修理のため植山工務店に引き渡し(写真)
引き渡し風景(その1) 引き渡し風景(その2)
2007(平19).10.15(日) 長尾神社境内社厳島神社秋祭 地車曳行中止
2008(平20).4.29(日) 地車収納庫移築完成
地車修理完了 植山工務店より引き渡し 入魂式(写真)
修理完了(その1) 修理完了(その2)
修理完了(その3) 入魂式

上地車新報
『上地車新報』掲載記事より 拡大画像はこちら (JPEG 203KB)


2008(平20).07.19(土) 長尾神社境内社厳島神社夏祭 地車披露
2008(平20).10.11(土)〜12(日) 長尾神社境内社厳島神社秋祭 地車曳行




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